住宅解体とその費用
住宅解体にかかる費用の坪単価は次の通りです。建物の種類 | 木造 | 鉄骨造 | 鉄筋コンクリート造 |
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坪単価 | 3.1~6.5万円 | 3.4~7.0万円 | 3.5~8.0万円 |
住宅解体の費用に影響する要素
木造、鉄骨造、そして鉄筋コンクリート造の順に建物は頑丈になっていくため、解体費用の相場も変わっていきます。建物の構造が頑丈な程、解体工事に手間がかかり、作業に伴い発生する産業廃棄物の処理も多くなるので、解体工事にかかる費用も増えていくのです。 興味深い点として、一般的な場合、同じ坪数であっても、1階建ての住宅よりも2階建ての住宅の方が解体費用は安くなります。理由は、基礎部分(建物を支える土台)と屋根にあります。住宅の坪数が同じ場合でも、基礎部分と屋根にかかる坪数が異なってきます。 例えば、40坪の住宅を解体する場合、1階建ての住宅と2階建ての住宅の基礎部分と屋根にかかる坪数は次の通りです。1階建ての住宅 | 20坪 |
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2階建ての住宅 | 40坪 |
さらに、建物が老朽化しているかどうかによっても、解体工事費用は変わってきます。建物が老朽化している場合、倒壊の可能性が増します。その分、慎重に解体工事を行っていかなければならず、通常よりも、日数、そして人手が必要となる為に解体工事費用に差が生じるのです。
そして、解体工事を行う住宅、または建物が、都市部にあるか地方にあるかでも解体工事費用に差が生じます。解体工事を行う住宅、または建物が都市部にある場合、解体工事費用は高くなる傾向にありますが、それは、人件費や解体工事業者の家賃、重機の保管費用などが都市部の方が一般的に高くなるためです。
さらに、建物の立地によっても解体工事費用は左右されます。 例えば、解体工事を行う住宅、または建物が住宅の密集地帯にある場合、解体工事の費用は高くなります。具体的な数字を挙げると、隣家との距離が1メートル以下の場合は費用が高くなる傾向にあります。 さらに、解体工事を行う住宅、または建物の前の道路の条件も考慮されます。何故なら、2メートル以下の道幅でトラックを停めて作業するのが難しい場合があるからです。そのような場合、作業に手間がかかったり、余計な人件費がかかったりしてしまうために解体工事費用は高くなるのです。 解体工事を行う住宅、または建物が、住宅の密集地帯になくても、静寂な住宅街に位置している場合、騒音や振動、ほこりなどの問題が生じるため、周囲の環境に配慮をしなければなりません。そのため、解体工事を行う費用は高くなります。
住宅解体と大阪市
大阪市では、解体工事に関して解体費用補助制度を平成23年度から導入しています。この補助制度は、大阪市狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度と呼ばれるものです。大阪市では、狭あい道路(4m未満)にある老朽化した住宅(昭和25年以前)の解体費用を補助しています。 制度を利用できるのは「特に優先的な取り組みが必要な密集住宅市街地」に建物がある場合です。補助金額は、解体費用または大阪市が定める補助基本額の内、低い方の2分の1を予算の範囲内で補助します。 補助限度額は、戸建住宅で75万円、集合住宅で150万円、長屋等の一部解体は75万円となります。さらに、家賃補助も存在します。家賃補助では、一般世帯で家賃差額の2分の1以内、月額上限25,000円で、高齢者世帯で、家賃差額の3分の2以内、月額上限35,000円となっています。