解体工事と固定資産税、建物滅失登記の関係

解体工事に関してよく耳にする言葉の中に「固定資産税」と「建物滅失登記」があります。
「固定資産税」は、土地や家屋などを所有している人が納めなければならない税金です。
「建物滅失登記」は、家屋を解体した後に必要になる手続きの一つです。
解体工事を行って「建物滅失登記」の申請をおこなったら、「固定資産税」はどうなるのでしょうか。
この記事では、「建物滅失登記」の申請までの流れと、解体工事を行った後の「固定資産税」がどうなるのかを考えていきます。

建物滅失登記の申請について

建物滅失登記とは、建物の登記簿を閉鎖する手続きのことです。
建物滅失登記の申請は、行う時期と期限が定められています。建物滅失登記は、解体工事を行った後、一か月以内に管轄の法務局に申請します。
もし、建物滅失登記の申請を怠ると、存在していない建物に固定資産税がかかり続けることになってしまうので、忘れずに申請することが大切です。
建物滅失登記は必要書類をそろえ、管轄する法務局に提出することで申請します。
    申請のため事前に、解体工事業者に準備してもらう必要書類は以下の通りです。
  • ・取壊し証明書
  • ・解体工事業者の印鑑証明
  • ・解体工事業者の資格証明書、もしくは会社謄本
  • 以上の必要書類を解体工事業者から受け取っておきましょう。
では、建物滅失登記の申請までの流れを見てみましょう。
まず、法務局で登記簿謄本と建物滅失登記申請書を取得します。
十分に登記内容を確認した後、建物滅失登記申請書に必要事項を記入します。
その後、事前に解体工事業者から受け取っていた上記の書類と解体した家屋の図面を建物滅失登記申請書に添付して法務局に提出します。
法務局に必要書類を提出した後、約一週間程度で登記完了証が発行されます。

建物滅失登記を申請しないとどうなるのか

では、建物滅失登記を行わなければ、どうなってしまうのでしょうか。
建物滅失登記の申請を怠ると、幾つかのデメリットが生じます。
例えば、土地の売却ができなくなったり、解体した建物に対して固定資産税がかかり続けてしまったり、また10万円以下の過料に処されてしまう場合があります。
このようなデメリットを避けるためにも、忘れずに建物滅失登記の申請を行いましょう。

解体工事後の固定資産税はどうなるのか

建物滅失登記の申請を怠れば、建物に対しての固定資産税がかかり続けてしまいます。
建物を解体すれば固定資産税はかからないと考えている人が多いかもしれません。しかし、建物を解体した後、固定資産税が上がってしまう可能性があります。
なぜなら、建物が建っている土地には、「住宅用地に対する固定資産税特例借置」という固定資産税が軽減される特例が適用されるからです。この特例によって、家屋の建っている土地は、固定資産税が最大1/6に軽減されます。
しかし、家屋を解体してしまうと、「住宅用地に対する固定資産税特例借置」が適用されなくなってしまい、土地の固定資産税は本来定められている金額に戻ってしまいます。

まとめ

この記事では、解体工事を行う上で、建物滅失登記と固定資産税がどのように関係しているかを考えてきました。
解体工事を行った後は、必ず「建物滅失登記」を申請しましょう。
そうして、固定資産税と解体工事の関係性を十分に把握した上で、計画的に解体工事を行うようにしましょう。