ブロック塀は大丈夫?劣化状況の確認方法と対策

ブロック塀は、外部からの視線をシャットアウトしたり、隣家との敷地の区画をはっきりさせたりできる、とても役に立つエクステリアの一つです。
しかし、劣化すると倒壊の恐れがあることが問題となっています。建築基準法を満たさない劣化したブロック塀は、解体工事業者に依頼して、解体して撤去するか、基準に合う補修と補強をする必要があります。
では、解体して撤去を行うか、もしくは補修して補強をするか、どちらがいいか見極めることはできるのでしょうか。

ブロック塀の劣化状況を確かめる

ブロック塀とは、基礎の上にコンクリートブロックを積み重ねて作っていく壁のことで、内部に通した鉄筋により補強されています。
このように、ブロック塀は丈夫な素材で作られていますが、劣化を防ぐことはできません。では、どうすればブロック塀の劣化状況を知ることができるでしょうか。
ブロック塀の主な劣化状況として挙げることのできる症状は、苔やカビの発生、白華現象(エフロレッセンス)、剥がれ、ひび割れ、中性化、鉄筋のさびなどです。劣化状況を確かめる上で最も顕著なしるしは、ひび割れです。ブロック塀がひび割れている場合は、解体工事業者にお願いして補修して補強しましょう。
さらに、ブロック塀の劣化状況を確かめる時に覚えておきたい事柄は、白華現象(エフロレッセンス)です。白華現象(エフロレッセンス)とは、ブロック塀の内部にしみ込んだ水分が石灰分と共に表面ににじみ出て、二酸化炭素に反応して固まってしまう現象のことです。
白華現象(エフロレッセンス)は、ブロック塀自体には悪い影響を与えませんが、白華現象(エフロレッセンス)が発生しているということは、ブロック塀の内部に水分がしみ込んでいるということで、水密性が求められるコンクリートにおいては劣化する兆候といえます。

危険から守られるための規準

2018年6月に、大阪府北部を中心とした大阪北部地震が発生しました。
その地震の発生による被害がきっかけで、地震時に倒壊するブロック塀の危険性が注目されるようになりました。老朽化したブロック塀や建築基準法を満たしていないブロック塀は倒壊の恐れがありますが、そのようなブロック塀は大阪市だけに限らず、全国に数多く存在していることが確認されています。
ブロック塀が危険かどうかを確認するための6つの項目を、国土交通省が発表しました。
1.塀は高すぎないかどうか
高さは地盤から2.2m以下と定められています。
2.塀の厚さは十分かどうか
塀の厚さは10cm以下と定められています。
(ただし、高さ2m以下の場合は厚さ10cm以上、高さ2m超の場合は厚さ15cm以上と定められています。)
3.控え壁はあるかどうか
塀の高さが1.2mを超える場合、塀の幅3.4m以下ごとに、高さの1/5以上の長さの控え壁が必要です。
4.基礎があるかどうか
コンクリートの基礎が必要です。
5.塀は健全かどうか
傾きやひび割れがないかどうか確認します。
6.塀に鉄筋が通っているかどうか
塀の中に直径9mm以上の鉄筋が、縦横とも80cm間隔以下で配筋されていて、縦筋は壁頂部および基礎の横筋に、横筋は縦筋にそれぞれかぎ掛けされている必要があります。
基礎の根入れ深さは、塀の高さが1.2m長の場合30cm以上です。

以上の項目において5つの内容は自分自身で確認できるものです。
6つ目の項目は、自分自身で確認することは困難です。ですから、信頼できる解体工事業者に確認を依頼しましょう。
上記の項目の内容を一つでも満たさない場合や、自分で判断がつかない場合にも、速やかに信頼できる解体工事業者に相談することをお勧めします。

まとめ

経年劣化により老朽化したブロック塀や、そもそも建築基準法を満たしていないブロック塀は倒壊の恐れがあるので危険です。
壁の高さや厚さ、控え壁の有無などは、自分の目で見てわかる事柄ですが、ブロック塀の中に通されてある鉄筋の状態までは確認することができません。ブロック塀の状態によっては、問題のある点の改修や、解体工事が必要な場合があります。
ブロック塀の倒壊による事故を未然に防ぐため、現状の確認と早めの対策を行うことが大切です。それには、信頼できる解体工事業者に確認を依頼することを検討されてはいかがでしょうか。