遺産相続で受け継いだ家屋の解体工事のメリットとトラブル解決法

亡くなった親族から遺産相続で受け継いだ建物や家屋を、さまざまな理由から解体工事によって「取り壊したい」と考える人は多くいらっしゃいます。
今回は、遺産相続で亡くなった親族から受け継いだ建物や家屋を、解体工事によって取り壊すメリットと、そして起こるかもしれないトラブルの解決法について考えていきましょう。

相続した建物や家屋の解体工事をするメリットとは

空き家となった相続財産の家屋を、そのまま残しておくこともできますが、遺産相続した家屋を解体工事によって「取り壊す」メリットはどこにあるのでしょうか。
空き家を管理することに伴う負担から解消される
老朽化した家屋には倒壊のリスクが伴います。
また、空き家であることによって治安の悪化につながり、近隣とのトラブルが発生する可能性も考えられます。
解体工事により家屋を取り壊して更地にすることで、相続人に求められる空き家の管理に付随する負担は解消されます。
土地の換価分割が可能になる
相続した建物や家屋を解体工事によって「取り壊す」ことで、土地を更地にして、その土地を他の相続人と分け合うことが可能です。
解体工事によって更地にした土地を売って、土地を現金に換えることで他の相続人と分割(換価分割)できるので、相続財産を公平に分配できます。
遺産相続で受け継いだ家屋と土地を一緒に売却するよりも、解体工事によって更地にした方が売却しやすいというのが現状です。
譲渡所得から3,000万円の特別控除を利用できる
被相続人(亡くなった親族)が住んでいた家屋を相続人が3年以内(相続した年の3年後の12月31日まで)に売却すると、譲渡所得から3,000万円の特別控除を受けられる場合があります。
特別控除適用の要件には「家屋を耐震補強して売却した場合」または「家の解体工事をして更地にして売却した場合」というものがあります。
相続した土地にある空き家を更地にして売却した場合は後者に当てはまります。他にも「昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること」という要件があります。
解体工事によって家屋を取り壊す際は、市役所の空き家担当の窓口に相談、または確認の上手続きを進めることをお勧めします。
また、手続きに不安を感じる人は、相続や不動産に強い弁護士や司法書士、または税理士に相談するのも良い方法です。

遺産相続で受け継いだ家屋の解体工事で起こるトラブル

遺産相続によって受け継いだ家屋を解体工事によって更地にして売却できれば良いですが、他の相続人との間でのトラブルが起こるかもしれません。そのトラブルと解決法を見てみましょう。
トラブル:相続人同士で揉める
相続した家屋の解体工事費用が思ったよりも高いと、他の相続人と揉めてしまうというトラブルに繋がりかねません。
相続人の経済状況により、各自負担できる金額が異なってくることもあり、簡単に折半とはいかないかもしれません。
さらに、生家への思いから、解体工事または売却の直前になって反対する相続人も出てくるかもしれません。
解決法:意思の疎通(コミュニケーション)をとる
後になって他の相続人と揉めないように、事前にきちんと意思の疎通(コミュニケーション)をはかり書面にしておくことで、トラブルは回避できます。
生家に寄せる想いはどの家族の心にもあるものです。ですから、他の相続人の意見によく耳を傾け、会話を独占しないようにしましょう。自分の意見を話すだけ話して、他の相続人の意見を聞こうとしないと、トラブルはさらに大きくなってしまいます。
そして、建物の解体費用をできるだけ抑えることもトラブルの回避に繋がります。資金面、そして感情面でも、他の相続人とよく話し合うことでトラブルを解決することができるでしょう。

まとめ

亡くなった親族から遺産相続した家屋に思い入れがあり、解体工事による「取り壊し」に積極でない相続人もいることでしょう。
ですから、事前に解体工事によって空き家を取り壊すメリットを相続人同士で十分に話し合いましょう。相続人同士で十分に意思の疎通をはかればトラブルは未然に防げます。
もし、トラブルが起きたとしても、相手の話しによく耳を傾けることによって解決することができます。
相続人の合意の上で、相続した家屋を解体工事によって取り壊すことを決めたのなら、安心して工事を任すことのできる、信頼できる解体工事業者を選ぶために情報収集から始めましょう。