手壊し解体工事のメリットやデメリット

解体工事を行う方法の一つに「手壊し解体」があります。
解体工事を検討されている方は、よく耳にする言葉だと思いますが、多くの人はその工法についてご存知ありません。
大阪市において行われている解体工事では、通常重機を用いて行われる解体工事が一般的ですが、中には「手壊し解体」が行われるケースもあります。
この記事では、手壊し解体工事に焦点を当てて、その工法やメリットについて解説していきます。

手壊し解体という工法について

手壊し解体とは、どんな工法なのでしょうか。
家屋や建物の解体工事で用いられる一般的な工法は重機を用いて行われるものです。
多くの方は、解体工事と聞くと重機によって行われる工事をイメージされるのではないでしょうか。
手壊し解体とは、基本的に人の手のみで家屋や建物の取り壊しや解体に必要な作業を行っていきます。
手壊し解体という工法が解体工事に用いられている背景には、平成14年に施行されたリサイクル法があります。
リサイクル法によって、いわゆる「ミンチ解体」と呼ばれる解体工事の工法が禁止されるようになりました。
ミンチ解体とは、重機でどんどん家屋や建物を解体していき、排出された廃材を種類の区分もせずに処分していく、つまり家屋や建物を潰していく(ミンチしていく)工法です。
ミンチ解体がリサイクル法の施行により規制されるようになり、「分別解体」が必要になりました。
分別解体を行うには、家屋や建物を取り壊した際に排出される廃材を種類ごとに分別して処理する必要があり、その際、人の手で作業する必要があります。
リサイクル法施工がきっかけで「手壊し解体」が多く用いられるようになりました。
さらに、他の理由として挙げられるのは、解体工事現場の環境です。
工事現場によっては、解体工事に使用する重機が使えないことがあります。そのような場合、手壊し解体の工法を用いて解体工事が行われます。

手壊し解体のメリット

手壊し解体は、さまざまな理由により採用される工法ですが、手壊し解体を用いるメリットもあります。
手壊し解体を用いるメリットの一つに「騒音・振動防止」があります。
解体工事では、騒音・振動によるトラブルは起こり得ることです。手壊し解体であれば、騒音・振動の発生を最小限に抑えることが可能です。
大抵の騒音や振動は重機を使うことで発生します。しかし、手壊し解体は人手による作業がほとんどですので、重機を使うことで発生する騒音や振動の心配がありません。
そして、解体工事においてトラブルの原因の一つに粉じんの飛散があります。
しかし、手壊し解体による作業において粉じんの飛散を心配する必要は少なくなります。おのことで近隣住民への迷惑を最小限に抑えることが可能になります。
手壊し解体による解体工事のメリットには、「安全性」も挙げられます。
重機を用いた解体工事は、スピード感があり効率的に作業を進めていくことが可能です。しかし、スピード感があるだけ危険も伴います。
たとえば、重機によって隣家の壁や車に傷をつけてしまうということもあるかもしれません。しかし、手壊し解体による解体工事であれば、隣家に及ぼす影響を最小限に抑えることが可能です。
細かい作業が可能になり、安全性や安心感を得ることができます。

手壊し解体のデメリット

手壊し解体のデメリットについて1つだけ見てみましょう。
手壊し解体には「手間と時間がかかる」ということです。
重機を使った解体工事はスピーディーで効率よく行うことが可能ですが、人手での作業には時間と手間がかかります。
作業員を増やせば時間短縮にはなりますが、それだけ人件費がかかり解体工事費用も割高になってしまいます。また、時間的なデメリットがあることを覚えておくことも重要です。

まとめ

今回は、手壊し解体という工法に注目して解説してきました。
解体工事では重機を使って作業することが一般的ですが、場合によっては手壊し解体が用いられます。
人手による作業のため時間はかかりますが、細かい作業が可能になるので安全性などが向上します。
大阪市でも手壊し解体は多く用いられているので、事前に解体工事業者と工法についてよく話し合い、最適な工法を選択しましょう。