解体工事によって生じる隣家とのトラブルや責任について

空き家などの建物を解体する際、隣家に損傷を与えてしまったり亀裂を生じさせてしまったりする場合があります。
その際、隣家補修という形で補修工事を行わなければなりません。施主は解体工事を依頼する際、どのようなトラブルや責任が発生するのかを事前に理解しておくことが重要です。
この記事では、解体工事によって生じる隣家補修や施主に課される責任について考えていきます。

隣家とのトラブルを想定しておこう

解体工事を行うにあたり、隣家とのトラブルは十分に想定できる事柄です。
解体工事の依頼者および業者は、細心の注意を払いながら解体工事を行っていきますが、それでも起きてしまうのがトラブルや損傷事故です。
たとえば、起こりうる可能性のあるトラブルにはどんなものがあるでしょうか。
  • ・隣家の外壁に損傷や亀裂が生じてしまう
  • ・地盤が緩んで隣家が傾いてしまう
  • ・土砂崩れが生じてしまう
  • ・庭や駐車場のコンクリートにひびが入ってしまう
以上のトラブルは、解体工事を行うにあたって発生する可能性がある事例の一部にすぎません。
どのような事例があるにせよ、近隣住民にとっては大迷惑な事柄ばかりです。
近隣住民は、依頼者と業者に対してクレームをつけることでしょう。近隣住民とのトラブルの程度によっては、補修工事や損害賠償が必要になり、丁寧に対応していかなければなりません。

トラブルが起きたときの損害賠償責任について

解体工事によって隣家に何らかの損害を与えた場合、損害賠償責任が問われます。損害賠償責任についての2つのケースを見てみましょう。
解体工事を依頼した施主に責任がある場合と、解体工事業者に責任がる場合、2つのケースをご紹介します。
解体工事を依頼した施主に責任があるケース
損害賠償責任が解体工事を依頼した施主に課される場合があります。
以下のようなケースでは施主に責任が問われる可能性がありますので注意が必要です。
  • ・施主が事故やトラブルになる可能性を知りながら解体工事業者にその事実を知らせなかった場合
  • ・施主が故意にトラブルに繋がるような指示を出した場合
解体工事業者に責任があるケース
解体工事業者の不手際で発生したトラブルについては、基本的に業者が被害者に対して損害賠償金を支払う義務があります。
多くの大阪市内の解体工事業者は、損害賠償保険に加入していますので、その保険から損害賠償金を支払うことになります。
しかし、程度の軽い小さな損害であれば、補修工事だけで対応することもあります。

解体工事における損害賠償保険について

大阪市にも多くの解体工事業者が存在しますが、その大半は損害賠償保険に加入しています。
損害賠償保険の種類について見てみましょう。
  • ・工事単位の保険
  • ・会社単位の保険
  • ・車両単位の保険
工事単位の保険
「工事単位の保険」は、工事現場ごとに保険に加入します。
工事単位の保険では、該当する工事にのみ適用される保険であり、リスクの高い解体工事に対して用いられる保険の一つです。
会社単位の保険
「会社単位の保険」は、一般的に解体工事会社が年間単位で加入する保険です。
加入年に行われるすべての解体工事が保険の対象となります。
車両単位の保険
「車両単位の保険」は、解体工事で使用する重機やトラックなどの車両にかける保険のことです。
一般的に、他の「工事単位の保険」や「会社単位の保険」とセットで加入することが多いのが現状です。

大阪市の解体工事業者は、基本的に上記でご紹介した何らかの保険に加入しています。
依頼者は、解体工事を依頼する際、業者に損害賠償保険のことについても確認しておくことをおすすめします。

まとめ

この記事では、解体工事によって生じる隣家補修や施主に課される責任について考えてきました。
解体工事を行うにあたり、隣家に損傷を与えてしまったり亀裂を生じさせてしまったりする可能性はあります。
事前に、トラブルや責任について認識しておくことで、適切な対応をとれるようにしておきましょう。