解体工事においてトラブルの原因になり得る「追加費用」について

解体工事において、工事終了後に高額な追加費用を請求されてしまった、という事例をよく耳にします。
たしかに、解体工事においても追加費用が発生する場合があります。解体工事で「追加費用」がトラブルの原因にならないためには事前の対策が必要です。
今回は、解体工事において発生し得る「追加費用」の発生原因について解説していきます。
追加費用は、どのような場合に発生するのでしょうか。トラブルにならないためにも、事前に考えていきましょう。

追加費用が発生する原因となるもの

解体工事において「追加費用」が発生する可能性はあります。解体工事の際、追加費用はどこで発生するのでしょうか。いくつかの原因を見ていきましょう。
・養生シートの追加費用
解体工事中に騒音やほこり、粉じんの飛散を防止するために養生シートを設置する必要があります。
しかし、養生シートを設置しても騒音を完全にシャットアウトすることは難しく、近隣住民の迷惑になる場合があります。その際、養生シートをより防音性の高いシートに変えざるを得なくなり、追加費用が発生してしまいます。
さらに、豪雨や自然災害などにより養生シートが破損してしまった場合には、養生シートを交換する必要が生じます。その場合も追加費用が発生します。
・残置物の処分にかかる追加費用
解体工事の際、工事着工前に建物内に残された物品を残置物と呼びますが、一般的に解体工事依頼者側で処分することが可能です。
しかし、解体工事依頼者側で残置物を処分することが決まっていたにもかかわらず処分されていなければ、解体工事業者が処分することになってしまいます。
その場合、追加費用が発生する可能性があります。事前に、解体工事業者と残置物についてよく打ち合わせておきましょう。
・アスベスト除去にかかる追加費用
現地調査の時点で、アスベストの使用が判明していれば、アスベスト除去にかかる費用が見積りに反映されているでしょう。
しかし、アスベストの使用が工事中に判明する場合があります。その場合、アスベスト除去費用として追加費用が発生します。
現地調査の時点で、アスベストの使用が判明していた場合でも、除去作業中にさらに高度な技術が必要と判明された場合、その技術に対する費用が追加費用として発生する可能性があります。
・埋設物の撤去にかかる追加費用
現地調査では、地中に埋まっている埋設物を認知することは不可能な場合があります。
解体工事中に、そのような埋設物を発見するかもしれません。その場合、撤去するために追加費用が発生します。
・隣家への損害にかかる追加費用
解体工事において、隣家への損害は起こり得るトラブルの一つです。
隣家へ損害を及ぼしてしまった場合、基本的には解体工事業者が補修費用などを支払います。
しかし、解体工事業者の中には、損害賠償のための保険に入っていないところがあります。その場合、解体工事依頼者が、隣家への損害賠償を負担しなければなりません。
そうなると、解体工事費用に加え「追加費用」が発生してしまいます。

まとめ

今回は、解体工事において発生し得る「追加費用」について考えてきました。
追加費用が発生する原因には、事前に行なわれる現地調査で判明していなかった事柄や、解体工事中に起こり得る予期せぬアクシデントによるものがあります。
追加費用が、解体工事を行っていく上でのトラブルとならないために、事前に解体工事業者とよく話し合っておくことが重要です。
解体工事業者とのコミュニケーションをきちんととって、快適でスムーズな解体工事を行っていきましょう。