解体工事に伴う井戸の埋め戻し、解体工事費用はどうなる?

古い家屋の解体工事を行なって新しい家屋を建てるときや、空き家対策の一環として住宅や建物の解体工事をして更地にするときに、解体工事を行なう敷地内に古い井戸が併設されている場合があります。
また、解体工事中に、埋まっていた井戸が見つかったという事例もあります。このような場合、井戸の埋め戻しをする必要がありますが、井戸の埋め戻しにかかる費用はいくらぐらいなのでしょうか。

井戸の埋め戻し、及び解体工事費用の相場

解体工事の費用を少しでも安く抑えたいので、井戸の埋め戻しを自分一人で行なおうと考えることがあるかもしれません。
しかし、井戸を埋め戻すには、大量の砂を確保し運搬しなければならず、井戸の中にある廃材などを撤去し処分しなければなりません。とても一人で行なえるような作業ではないので、井戸の埋め戻しは解体工事業者にお願いしましょう。
では、解体工事業者に井戸の埋め戻しを依頼した場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。井戸の埋め戻しにかかる費用の相場は、10万円前後です。しかし、この数字も井戸の形状や大きさなどによって変わってきます。
さらに、この金額は解体工事前にすでに井戸の埋め戻し作業が把握されていた場合の金額です。すべての解体工事が終わった後に井戸が見つかった場合、あらためて重機等の手配が必要になるので、解体工事費用に追加料金がかかり、解体工事費用が割高になる可能性があります。

井戸の埋め戻し、解体工事の流れ

実際に、井戸の埋め戻しが含まれた解体工事は、どのような流れで行われていくのでしょうか。
解体工事業者によって作業の流れの順序は変わりますが、一般的に次のような流れで井戸の埋め戻し作業は行われていきます。
  1. 井戸内部の不用品を撤去する
    廃材や枯れ葉や枯れ木などを撤去します。
    そうすることで、メタンガスの発生を防ぐことができます。
  2. 井戸内部の水を抜く
    水抜きをして、井戸内部の掃除もします。
  3. ガス抜きをする
    竹筒やパイプを使って、井戸内部にあるガスを抜きます。
  4. 井戸枠を取り除く
    土砂や砂利など、地層にあった砂を井戸の内部に入れていきます。
  5. 地上の井戸部分を撤去し、完全に砂で埋める作業
    地上部分に残っている井戸部分の撤去をして、井戸の埋め戻し作業は終了です。

井戸の埋め戻しに関しての注意点

解体工事をした後の土地を売却する予定である場合、別途料金はかかりますが、井戸の土管は、撤去しておくことをおすすめします。
理由は、土管の周りに空洞があると、遅かれ早かれ土地が陥没する可能性があるからです。土管は、基本的に撤去する方向で解体工事の計画をたててださい。
さらに、産業廃棄物を井戸に入れて埋めることは法律で禁止されています。
理由は、産業廃棄物などの廃材を井戸と一緒に埋めてしまうと、雨水を下水に通しやすくなり、その土地の井戸の水質に問題が生じる可能性があるためです。
汚染された水で人体に被害が生じ社会問題となりかねません。当然、井戸を再度掘り起こして産業廃棄物などの廃材をきれいに掃除して、再度井戸を埋め戻さなければなりません。そうなると、解体工事費用が割増しになり手間もかかります。

まとめ

井戸の埋め戻し作業は手間がかかり、慎重さも求められています。
解体工事費用の節約のため、自分で井戸の埋め戻しをすることを考えてしまうかもしれませんが、解体工事業者に依頼するのがベストです。
自分で井戸の埋め戻し作業を行うことは、とても危険でリスクが高いです。素人が井戸の埋め戻しを一人で行うと、水質汚染の可能性も高まってしまい、近隣住民へ被害を及ぼす結果になりかねません。
井戸の埋め戻し作業についても解体工事業者とよくコミュニケーションをとって、安全な解体工事を行なっていきましょう。