解体工事における騒音対策とクレームへの対処法

解体工事を行うにあたり、騒音、そして振動は仕方のないものです。
しかし、近隣住民の方々にはできる限り迷惑はかけたくないというのが依頼者の心情です。けれども実際には、騒音、そして振動が原因で近隣住民の方々とトラブルになってしまったというケースも聞かれます。
今回は、解体工事に伴う騒音や振動で起きるトラブルへの対策と、近隣住民の方々からのクレームへの対処方法を一緒に考えていきましょう。

解体工事依頼者ができる騒音対策とは

解体工事の依頼者が自分で解体工事を行うことは難しいので、当然解体工事業者に解体工事を依頼することになります。
依頼者ができる騒音対策なんて存在しないと考えているかもしれませんが、依頼者側でできる騒音対策は幾つかあります。
1.解体工事業者との打ち合わせ時に騒音対策について確認しておく
依頼者は、解体工事業者に解体工事の見積を依頼する時に、騒音対策について事前に確認することができます。
解体工事業者は、近隣住民の方々への配慮として、騒音対策の一環として散水・養生シートの設置などを行うことができます。そうすることで、騒音や振動を減少させることが可能となります。その上で、解体工事業者に、近隣住民の方々からクレームが出た時の対応の仕方等も確認しておくことが肝要です。
2.近隣住民の方々への着工前の挨拶
解体工事着工前に、解体工事業者の担当者と一緒に近隣住民の方々への着工前の挨拶を行いましょう。その時に可能であれば簡単な粗品を持参すると近隣住民の方々へのイメージアップに繋がります。
粗品は絶対に必要ということはありませんが、挨拶に伺う目的は、近隣住民の方々に誠意を見せておくことです。そうすることによって、不測のトラブルが発生した時に、さらに大きなトラブルに発展していくといったリスクを避けることができます。
さらに、着工前挨拶をしておくことで、解体工事に対する近隣住民の方々からの理解と協力を得やすくなるというメリットもあります。

解体工事業者側ができる騒音対策とは

解体工事業者ができる騒音対策を見ていきましょう。
解体工事の依頼者にとって、解体工事業者がどのような騒音対策を行うのかを、事前に知っておくことは大切です。解体工事業者への見積依頼の段階で騒音対策に関して確認しておきましょう。
1.防音シートで騒音を抑える
一般的に防音対策としてよく用いられる方法は、防音シートを使った対策です。
防音シートで建物を囲い解体工事を進めていくことは、粉じんの飛散防止や騒音を抑えることに繋がります。
しかし、この防音シートの使用は解体工事の作業を行う際の義務ではないので、設置しなくても法律違反にはなりません。解体工事業者によっては、費用や手間を省くために使用しない業者もいますので、見積を依頼する際に前もって確認しておきたい点です。
2.隣家と接する部分はできる限り手作業で行う
大抵の解体工事では、くい打機やびょう打機などの重機が使用されます。
しかし、隣家と接する部分の取り壊しで重機を使ってしまうと、塀を傷つけてしまうというトラブルになりかねません。実際に、解体工事中に重機によって隣家の窓ガラスを割ってしまったという実例があります。
ですから、可能な限り隣家に接する部分は重機の使用ではなく手作業で行なわれることが求められています。
3.散水で粉じんを防ぐ
散水は、粉じんに関して起こるクレームを防ぐ良い方法の一つです。
単純に水をまくだけですが、解体工事によって起こる粉じんの飛散を防いでくれるので、近隣住民の方々からのクレームに対処する良い方法であると言えます。

騒音に対して起こるクレームへの対処法とは

もし近隣住民の方々からのクレームが発生したら、解体工事業者の担当者と一緒に「すぐに」事情説明に赴くことが重要です。
クレームは、時間が経てば経つだけ問題が大きくなる傾向にあり、即座に対応することが求められています。まずは非を認め、謝罪し、相手の話を聞いた上で事情を説明するようにしましょう。
そして、忘れてはならないことが、今後の対策を相手に伝えることです。対策を伝えることで、相手に納得してもらうことができ早期解決に繋がります。

まとめ

解体工事において、騒音や振動はある程度は仕方がないことと言えます。
しかし、解体工事依頼者としての責任を果たすためにも、着工前の近隣住民の方々への挨拶をきちんと行っておくことはとても大切です。そうすることによって、近隣住民の方々から解体工事への理解と協力を得ることができます。
もし、解体工事に関して起こる騒音や振動に関してのクレームを受けたとしても、着工前挨拶がしっかりと行われていれば、問題が大きく発展してしまうことは避けられるはずです。
事前にできる対策や対処方法を実践することでスムーズな解体工事を行なっていきましょう。