解体工事の見積もり書において値引き額が大きすぎる場合、注意した方が良いのか?

解体工事を行う上で、解体工事業者の選定は欠かせません。
解体工事業者を選定するにあたり、できるならば、1社からだけ見積もりをとるのではなく、3社ほどからの相見積もりをとるとよいでしょう。
相見積もりをとることによって、解体工事における施工費用および工程内容を比較検討できるからです。見積もり書の項目欄の中に「出精値引き」という項目があります。
そして、その項目欄に値引き金額が記載されている場合があります。この「出精値引き」とは一体何でしょうか。あまりにも値引き額が大きすぎる場合、注意した方が良いと言われるのはどうしてでしょうか。

「出精値引き」とは何か

「出精値引き」とは、解体工事業者が一生懸命努力して出した最大限の値引き額のことです。
この項目は、解体工事業者の「これ以上は値引きできない」という意思表示でもあります。例えば、解体工事費用の総額が100万円だとします。「出精値引き」の項目に20万円と記載されてあれば、見積もり金額は80万円となります。

出精値引きを行う理由とは

なぜ、解体工事業者は「出精値引き」を行うのでしょうか。
その理由は、利益率にあります。解体工事では、工事を行う時期などに応じて利益率が変動します。解体工事業者は、自社が行う解体工事において利益率が大きい場合、「出精値引き」として値引き額を増大して、依頼者に還元することがあります。
解体工事費用についてはおおよその相場は決まっていて、建物の構造や坪単価などによって相場が変わってくる場合もあります。実際には、解体工事を行う建物によって費用が変わってくるため、現場ごとに利益率も変わってくるのです。
さらに、「出精値引き」を行う理由として、解体工事を依頼した時期が関係しています。
解体工事費用は時期によっても変動します。例えば、解体工事の依頼が少ない時期(閑散期など)に解体工事を依頼すると、大抵の解体工事業者は「出精値引き」を行うようです。利益率は下がってしまいますが、出精値引きによって解体工事の受注を増やすのが目的です。

値引き額が大きい場合は注意が必要!?

値引き額があまりにも大きい場合は、解体工事業者の担当者に確認をとりましょう。
解体工事費用にはおおよその相場があります。もちろん、いろいろな理由からその相場額も変動します。しかし、相場からかけ離れた大幅な値引きには注意が必要です。
大幅な値引きにより解体工事依頼者が不必要なトラブルに巻き込まれる可能性があるからです。
例えば、無理な値引きは、解体工事自体の質に影響を及ぼしたり、産業廃棄物の処理が適切に行われなかったりする可能性に繋がる恐れがあります。そのため、値引き額があまりに大きい場合、安くなって良かっただけで済まさずに、必ず解体工事業者の担当者に確認をとりましょう。

解体工事費用を安くするコツ

解体工事費用を安くするためのコツは、値引き交渉です。
担当者に見積を依頼する段階で値引き交渉を行いましょう。その際、担当者に自分が想定している予算額を伝えると良いでしょう。
見積もり書の細かい金額について値引き交渉するのではなく、解体工事全体の予算を伝えた上で交渉しましょう。そうすることで、解体工事業者も自分たちの利益率を計算しやすくなります。

まとめ

今回は、「出精値引き」について考えてきました。
見積もり書に「出精値引き」という項目の記載があり、もし疑問に思われれば、解体工事業者の担当者に確認してください。
できるだけ、安い金額で解体工事を行いたいと考えるのは自然な思いです。
事前に、解体工事業者とよく話し合うことで、安心して解体工事を任せることができ、スムーズな解体工事を行えるようになります。