解体工事と法律の関係

今回は、解体工事と法律の関係について考えていきます。解体工事を行なう際、建設業法や建設リサイクル法といった法律との兼ね合いを理解しておくことは大切です。
建設業法や建設リサイクル法に関しては定期的に見直されることもあり、その都度正しい法律のもとで解体工事を行なっていくことが必要です。解体工事業者はもちろんのこと、解体工事を依頼する家主や建設業者側も、正しい法律の知識を持って解体工事を見守っていくことが求められています。

建設業法

解体工事と建設業法の関係について考えてみましょう。
建設業法では、解体工事にかかわる技術者要件を定めています。建設業法によれば、技術者とは解体工事に携わり、解体工事の管理をする業者のことを指しています。
その他、実務試験、指定学科や資格に関する情報も建設業法に組み込まれています。
例えば、解体工事業の指定学科として、「土木工学、建築学に関する学科」が定められています。資格については、「一級の土木施工管理」もしくは「二級の土木施工管理」、または「一級の建築施工管理」もしくは「二級の建築施工管理」のいずれかに合格している必要があります。
さらに、実務試験に関してもそれぞれ規定があります。例えば、土木工事業や解体工事業に関して一定以上の経験があることが必要です。
解体工事業者側はもちろんのこと、解体工事依頼者側は解体工事を依頼する際、求められている学科や資格、一定の経験を満たしているかどうかを確認したうえで選定を進めていくことが大切です。

建設リサイクル法

解体工事と建設リサイクル法の関係性についても考えてみましょう。
解体工事を行なうとさまざまな廃棄物や資材が発生することになります。そうした廃棄物や資材を求められている基準や方法で処理して、再資源化などにつなげるのが「建設リサイクル法」で規定されている主な概要です。
建設物の解体に関しては、分別解体が義務づけられています。例えば、解体工事を通して発生したアスファルトやコンクリート、木くずなどは、それぞれ分別して処分する必要があります。
建設リサイクル法の特徴は、再資源化できる資材に関しては、「リサイクルする」というものです。基本的には、解体工事を依頼した側が解体工事着手7日前までに、分別解体等の計画について都道府県知事に届け出を出す必要があります。
こうした手続きや法律での規定があることを理解したうえで、解体工事を進めていくことが求められています。

解体工事依頼者に求められている各種届出

解体工事を行なうにあたり、解体工事依頼者に求められている各種届出を簡単に見てみましょう。
建物に関して
  • 建物滅失登記
    法務局に1か月以内に届け出を出す必要があります。
  • 家屋取り壊し届
    市区町村に遅滞なく届け出を出す必要があります。
  • 官民境界確定願
    財務局に2か月から3か月以内に届け出を出す必要があります。
建設リサイクル法に関して
  • 解体建物の構造
  • 着手時期及び工期、工程表
  • 分別解体の計画
  • 廃材量の見込み
  • 上段4項目の変更届
上記の各届では、都道府県に対して着工7日前までに届け出をする必要があります。
また、上記の届け出以外にも、解体工事依頼者に求められている届け出があります。
事前に大阪市役所に確認をすることをおすすめします。

まとめ

解体工事と法律の関係についてご紹介しました。
解体工事を行なうには、解体工事依頼者側にとっても、やらなければならないことが多々あるものです。
実際に解体工事を行なっていくには、解体工事業者と各自治体との連携が欠かせません。必要な届け出を期日までに提出することが大切です。
必要な手続きなどについては、解体工事業者も把握していますので、わからないことは担当者に訊ねることや、大阪市の担当者に確認することをおすすめします。