最新版:大阪市における解体工事費用の補助金制度 4

現在、日本では空き家の放置が問題となっています。
空き家が増え続けているという社会問題の背景には、少子高齢化、人口減少などいろいろな原因が考えられます。しかし、実際に解体工事を検討すると、解体費用の捻出や固定資産税の負担増など、さまざまな問題にぶつかります。そこで、各自治体は解体工事を支援するために補助金制度を制定しています。
今回は、大阪市が制定している補助金制度をさらに2つ見ていきましょう。
解体工事を検討している方は、是非、参考にしてください。

民間マンションの耐震診断・改修補助制度

大阪市では安全な街づくりの一環として「民間マンションの耐震診断・改修補助制度」を設けています。この制度は、令和7年度における民間住宅の耐震化率を高めることを目標としており、耐震診断、耐震改修設計、耐震改修工事に必要な費用の一部を補助するものです。
対象となる建物は、昭和56年5月31日以前に建てられたマンションで、3階建て以上のものであり、大阪市内にある非木造共同住宅です。
申請者の条件は、大阪市内にある民間マンションの所有者、またはマンション管理組合またはマンションを取得する予定の方です。
「民間マンションの耐震診断・改修補助制度」の補助金額は、以下の通りです。
  • 耐震診断
    限度額は1棟あたり200万円(補助率は、診断に要する費用の2/3以内)
  • 耐震改修設計
    限度額は、1棟あたり300万円(補助率は、改修設計に要する費用の2/3以内)
  • 耐震改修工事
    限度額は、1棟あたり3,000万円(補助率は、改修工事に要する費用の23%以内)
申請に必要な書類は、補助金交付申請書のみです。
補助金交付申請書に記入して、大阪市都市整備局に提出してください。

ブロック塀等の撤去を促進する補助制度

地震などによってブロック塀が倒壊し、人的被害が起こる可能性があります。
そのため、大阪市は老朽化したブロック塀や軽量フェンスなどを撤去または新設工事する際にかかる費用を補助金制度によって支援しています。
対象となるブロック塀などは、高さが80㎝以上のもので、道路に面していて安全性が確認できないものとされています。
補助金額は、次の通りです。
  • ブロック塀等の撤去
    15万円(限度額単価は、基礎撤去ありで12,800円/㎡、基礎撤去なしで7,800円/㎡)
  • 軽量フェンスの等の新設
    25万円(限度額の単価は、基礎新設で27,000円/㎡、基礎再利用で25,400円/㎡)
補助金額の補助率は、ブロック塀等撤去および軽量フェンス新設どちらとも新設工事に要する費用の1/2以内です。
必要書類
申請に必要な書類は、以下の通りです。
  • ・補助金交付申請書
  • ・付近見取図
  • ・ブロック塀等の安全性チェックリスト
  • ・ブロック塀等の撤去図
  • ・ブロック塀等の写真
  • ・撮影方向位置図
  • ・申請書内訳書
  • ・見積書(写し可)
  • ・誓約書
  • ・軽量フェンス等の新設計画図(軽量フェンス等を新設する場合)
  • ・軽量フェンス等のカタログの写し(軽量フェンス等を新設する場合)
  • ・道路中心線および現況幅員に関する書類(幅員4m未満の道路に面する場合等)
  • ・補助事業者一覧(ブロック塀等の所有権を共有している場合)
  • ・委任状(ブロック塀等の所有権を共有している場合)
  • ・委任状(手続きを代理人が行う場合)
上記の書類を、大阪市都市整備局に提出してください。

まとめ

大阪市が設けている補助金制度を2つご紹介しました。
補助金制度は、国が行っている支援ではありませんが、他の自治体でも同じような制度を設けている場合があります。しかし、各自治体によって内容は変わってきますので、大阪市以外にお住まいで補助金の利用を検討されている方は、事前の確認をおすすめします。
補助金制度を上手に利用して、快適な解体工事を行っていきましょう。